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ソムリエの技 VOL.8

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今年5月、寺田倉庫プレミアムストレージグループのソムリエに着任した安田海。日々、多彩なワインと出会う彼だが、最近気になるワインがあるという。それが、現在ワインのプロや愛好家の間でも話題に上ることが多い「オレンジワイン」だ。その個性的な魅力を聞いた。

1030_2――「オレンジワイン」という名前だけを聞くと、ワイン初心者は「オレンジで造られたワイン?」と思ってしまいそうです。そもそも、オレンジワインとは何ですか?
安田 確かに、間違いやすいかもしれませんね。実は、「オレンジワイン」というのは、赤ワインの製法で造られた白ワインのことなのです。通常、白ワインは葡萄の果汁のみを原料として造られますが、オレンジワインは葡萄の果皮と種子などを果汁に漬け込み、果皮や種子から香りや渋みの成分を摘出して造られます。オレンジのような色合いから、「オレンジワイン」と呼ばれるようになりました。通常の白ワインにはないタンニンの渋みや、アロマティックな香りが特徴です。

――なぜ、オレンジワインが気になり始めたのですか?
安田 最初のきっかけは3年ほど前のワイン会でした。イタリアの「ヨスコ・グラヴナー」という造り手の「リボッラ・ジャッラ」を飲んだのですが、香りがとても複雑で、温度が上がるにつれて徐々に変化していくオレンジ色の液体に、参加者全員が魅せられました。

――オレンジワインの大きな魅力とは、何でしょう?
安田 通常の白でも、赤ワインでもないというところに純粋に惹かれます。香りが豊かなので、飲んでいてアロマテラピーのように癒されるところも好きです。また、料理との相性がよいのも大きな魅力です。

――どんな料理との相性がよいのですか?
安田 これは本当に幅広いですね。レストランの料理なら、鶏のバロティーヌや豚フィレ肉のローストにフレッシュな柑橘やコリアンダーシードなどを使用したソースを添えるとよく合います。家庭でカジュアルに楽しむなら、エスニックなどもいいですね。実は、パクチーとオレンジワインは相性がよいので、オレンジやアンディーヴにパクチーを散らしたサラダや、ベトナムのネム(揚げ春巻き)などにもマッチします。

――おすすめのオレンジワインを教えてください。
安田 今、気に入っているのは、山梨の甲州で造られた「奥野田葡萄酒 ラ・フロレット ハナミズキ・ブラン」です。淡い色調のオレンジワインですが、とても華やかな香りで、入門としてお勧めです。また、イタリア・フリウリ州の「ラディコン リボッラ・ジャッラ」もおいしいです。イタリアを代表するオレンジワインとして入手困難ですが、香りの複雑さや、鮮やかな色合いなど、機会があれば試していただきたい1本です。今、オレンジワインを造る生産者が増えています。好みのものを見つけて、ぜひ楽しんでみてください。

(文・安齋 喜美子)

問い合わせ/奥野田葡萄酒醸造(「ラ・フロレット ハナミズキ ブラン」)
TEL:0553-33-9988

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オレンジワインの魅力

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